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冷蔵庫の異音ブーン・カタカタの原因と対処法

更新: 村上 健太
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冷蔵庫の異音ブーン・カタカタの原因と対処法

冷蔵庫の異音で、ブーンやカタカタが急に気になり始めると「故障かもしれない」と身構えてしまいますが、実際は正常な運転音や設置・収納の問題で済むケースも少なくありません。この記事は、冷蔵庫の異音を短時間で見分けたい方に向けて、音の種類、出る場所、ドアを開けると止まるかの3つで判断する流れをまとめたものです。

冷蔵庫の異音で、ブーンやカタカタが急に気になり始めると「故障かもしれない」と身構えてしまいますが、実際は正常な運転音や設置・収納の問題で済むケースも少なくありません。
この記事は、冷蔵庫の異音を短時間で見分けたい方に向けて、音の種類、出る場所、ドアを開けると止まるかの3つで判断する流れをまとめたものです。
修理現場では、カタカタ音の正体がドアポケットの瓶の共振だったり、床との水平ズレだったりすることが多く、一方でドアを開けると止まる異音は庫内ファンや霜が絡んでいる場面をよく見てきました。
東芝のFAQでもブーン音はファンやコンプレッサーの作動音として正常な場合があるとされており、まず確認すべき点と安全にできる対処を押さえれば、不要な修理依頼は避けられます。

冷蔵庫の異音は故障とは限らない|まず正常音かを確認

キッチン家電の故障原因を特定するための詳細な部品点検と修理手順の写真

正常音の代表例

冷蔵庫の音は、まず「故障音」ではなく「運転音」として説明できるかを見るのが基本です。
修理現場でも、最初の聞き取りで正常範囲と判断できるケースは少なくありません。
代表的なのは、コンプレッサー(圧縮機)やファンの回転による「ブーン」「ウィーン」という連続音です。
冷やすために働いている音なので、短時間で区切られていたり、一定の周期で出たり止まったりしていて、実際の冷えにも問題がなければ、まず正常動作の範囲に入ります。
「ポコポコ」「チョロチョロ」といった水音のような音も、冷媒が配管内を流れるときに出ることがあります。
内部で液体が移動しているように聞こえるため驚かれますが、これも珍しいことではありません。
「カチカチ」はリレーやサーモスタット(温度制御器)が切り替わる音として出ることがあり、運転のオンオフに合わせて短く鳴る程度なら自然です。
「パキッ」「ミシッ」は庫内の樹脂部品が温度変化で伸び縮みするときの音で、夜間の静かな時間帯ほど耳につきます。
東芝のFAQでも、冷蔵室のファンは扉を閉めると回り始め、起動直後は音が大きく感じられても約15秒で安定回転になると案内されています。
扉を閉めた直後に「今だけ少し強い」と感じても、その後すぐ落ち着くなら仕様に沿った動きです。
野菜室や上段冷凍室では、扉を開けてもファンが止まらない場合がある点も、知らないと異常に見えやすいところです。
『東芝のFAQ』にあるこの仕様を知っているだけで、判断を誤りにくくなります。
製氷機まわりの音も見落としやすい正常音です。
氷を落とすタイミングの「コトン」「ガラガラ」、給水時の作動音は珍しくありません。
日立のFAQにある「製氷おそうじ」では、給水タンクの水を繰り返し流す動作が約3〜4分続くため、その間はいつもと違う音が出ます。
製氷関連の音は断続的で、しばらくすると止まるなら、まず仕様動作として考えられます。

音が気になる/異音がする | よくあるご質問 | 東芝ライフスタイル株式会社 faq-toshiba-lifestyle.dga.jp

音が大きくなりやすい状況

同じ正常音でも、場面によってはいつもより強く聞こえます。
よくあるのが夏場です。
室温が高いと庫内を冷やすための運転が増えるので、コンプレッサーやファンの音も目立ちます。
庫内に常温の食材をまとめて入れた直後や、買い物帰りに扉の開閉が続いたあとも同じで、温まった庫内を戻すためにしばらく頑張って回ります。
設置直後や引っ越し直後も、相談が集中しやすいタイミングです。
私の経験でも、新しく置いたその日や、夏場の搬入後に「ブーンが強くて故障では」と聞かれることがありましたが、半日から1日ほどで落ち着いた例が多くありました。
庫内温度が安定するまで運転が続くためで、最初の印象だけで異常と決めつけると見誤ります。
音の聞こえ方には、設置条件も大きく関わります。
壁や家具に本体が触れていたり、床との水平がずれていたりすると、もともとは普通の運転音でも振動が増幅されて「ガタガタ」「ビリビリ」に変わります。
ドアポケットの瓶や缶が共振して鳴ることもあり、この場合は本体内部の故障音とは響き方が異なります。
修理現場では、内部不良を疑っていた音が、実際には収納物の接触や脚の傾きだったというケースもよくありました。

異常の兆候とこの後の切り分け方

正常音との境目で注目したいのは、急な変化があったかどうかです。
これまで気にならなかった音が急に大きくなった、止まるはずの音が長時間続く、内部で何かが擦れるような音がする、以前より本体の振動が増えた、といった変化は正常運転だけでは説明しにくくなります。
そこに冷え不良、水漏れ、異臭が重なると、ファンまわりの霜や劣化、霜取り系の不具合、背面下部の部品異常まで視野に入ってきます。
とくに「ドアを開けると止まる音」は、冷却ファンの挙動と結びつけて考えると切り分けが進みます。
一方で、扉を閉めた直後だけ少し強く鳴り、短時間で落ち着くなら、前述のファン起動音として説明できる場面があります。
ここは音の種類だけでなく、どこから聞こえるかどのくらい続くか扉の開閉で変わるかをセットで見るのがコツです。

💡 Tip

「短時間・周期的・冷えに問題なし」なら正常音の可能性が高く、「急に大きくなった・長く続く・擦れる・振動が増えた・冷え不良や水漏れを伴う」なら異常寄り、という分け方を先に持っておくと整理しやすくなります。

このあとでは、ブーン音、カタカタ音、ドアを開けると止まる音を順番に見ながら、正常音なのか、設置や収納で収まるのか、修理判断に進むべきなのかを切り分けていきます。

冷蔵庫からブーン・カタカタ音がする主な原因

冷蔵庫の一般的な故障症状と修理箇所を示す写真集。

コンプレッサー(圧縮機):低いブーン音と振動

冷蔵庫の背面下部あたりから聞こえる低い「ブーン」は、まずコンプレッサー(圧縮機)の作動音が候補です。
庫内を冷やすために冷媒を循環させる心臓部なので、一定時間うなるような音が出ること自体は珍しくありません。
とくに室温が高いときや、食品を多く入れた直後は運転が強まり、床や側板に振動が伝わって音が大きく感じられます。
正常音の範囲としては、冷え方に問題がなく、音量が急に増えていないケースです。
自分で見分けるなら、音の出どころが背面下部に集中しているか、本体に手を当てたとき細かな振動だけで収まっているかが目安になります。
反対に、以前より明らかにうなりが強い、長時間ほぼ止まらない、冷えが弱い症状を伴うなら故障疑いが強まります。
コンプレッサー関連は修理費が高くなりやすく、マイベストで整理されている目安でも10万円以上になることがあります。

冷却ファン:ウィーン/擦れ音、ドア開閉との関係

「ウィーン」「ジー」「サー」という回転音は、庫内の冷却ファンや背面の送風系統から出ていることがあります。
見分ける材料として役立つのがドア開閉との関係で、ドアを開けた瞬間に音が止まるなら、庫内ファンの回転音であることが多いです。
冷蔵室のファンは扉を閉めると回り始め、起動直後は音が大きく感じても約15秒で安定回転になると案内されています。
扉を閉めた直後だけ少し強く聞こえ、その後落ち着くなら、まずは通常の立ち上がり音として説明がつきます。
正常音の範囲は、回転音が一定で、擦れる感じや引っかかる感じがない状態です。
自分で確認するなら、冷蔵室・冷凍室のどちらで音が強いか、ドアを開けたときに変化するかを見ると切り分けが進みます。
故障を疑うサインは、「ウィーン」に混じって「ガリッ」「シャッ」とこする音が出る場合や、開けると止まり閉めるとすぐ再発する場合です。
ファンモーターや羽根まわりの異常なら、庫内冷却ファン修理は約33,000〜35,000円が目安になることがあります。

霜取り不良(デフロスト):霜が当たるカリカリ/ガリガリ音

「カリカリ」「ガリガリ」「コツコツ」といった硬いものが当たるような音は、霜取り不良(デフロスト不良)で増えた霜や氷に、ファンの羽根が触れている状態が考えられます。
修理現場でも、ドアを開けると止まる異音で多かったのがこのパターンでした。
ファン自体が壊れていなくても、周囲に付いた霜が干渉するだけで、耳につく異音になります。
正常音の範囲には入りにくく、霜が当たる音は基本的に内部のどこかで余計な接触が起きています。
自分で見える範囲としては、庫内奥のパネル付近に霜が目立つ、冷凍室の引き出し周辺に氷の盛り上がりがある、といった兆候が手がかりです。
故障疑いのサインは、異音に加えて冷えムラや冷凍室の霜付きが増えている場合です。
霜取り系の不具合は部品交換を含むことがあり、修理費の目安は約31,000〜36,000円です。

制振材(防振ゴム)劣化:振動の増幅・本体ガタつき

機械自体の音は大きくなくても、「ブーン」が床や壁に響いて不快になるときは、制振材(防振ゴム)の劣化が隠れていることがあります。
コンプレッサーや本体下部の振動を受け止める部材がへたると、小さな振動が吸収されず、ガタガタした感触や細かなビビり音として増幅されます。
音の発生場所がはっきりせず、本体全体が鳴っているように感じるなら、この系統も候補です。
正常音の範囲では、本体に軽く触れても不自然な揺れがなく、床に細かな共振が広がりません。
自分で見分けるなら、冷蔵庫の四隅をそっと押したとき、どこか1か所だけ浮いたような不安定さがないかを見る方法があります。
故障疑いのサインは、設置を整えても振動音が残る、本体下部からガタつきが続く場合です。
年数が進んだ冷蔵庫では部材のへたりが重なりやすく、寿命の目安である約10〜15年に近い個体では候補に入ります。

設置不良・放熱不足:壁や家具の接触、床の傾き

「ガタガタ」「ビビビ」「ブーン」という音が本体の外側から響くときは、設置不良や放熱不足がよくある原因です。
壁や食器棚に本体が触れていたり、背面の電源コードが当たっていたり、床がわずかに傾いていたりすると、冷蔵庫の通常振動が周囲に伝わって大きな異音になります。
設置環境とガタつきの関係が整理されています。
正常音の範囲は、本体周囲に余計な接触がなく、運転音だけが単体で聞こえる状態です。
自分でできる確認としては、側面や背面が家具・壁・コードに触れていないか、床との接地が4点で安定しているかを見るだけでも十分です。
故障疑いのサインは、周囲から離しても低い異音が続く場合で、そのときは本体内部の部品側に原因が移ります。
設置の問題は修理ではなく配置調整で収まることが多く、切り分けの最初に向いています。

💡 Tip

夜だけ音が目立つ場合は、本体の音が大きくなったというより、壁・床・家具に振動が乗って耳につきやすくなっていることがあります。機械音そのものと共振音を分けて考えると、原因を絞り込みやすくなります。

庫内の瓶・缶の共振:カタカタ/チャプチャプ音

「カタカタ」「コトコト」は、本体の故障ではなく、ドアポケットや棚の瓶・缶が振動しているだけのことが少なくありません。
とくにガラス瓶どうしが触れていたり、缶がポケット内で遊んでいたりすると、コンプレッサーの微振動を拾って音が出ます。
液体の入った容器では「チャプチャプ」と中身が揺れる音が混じることもあります。
正常音の範囲として最も多いのがこのパターンで、冷え方に異常がなく、容器の位置を少し変えると止まるなら収納由来です。
自分で見分けるには、ドアポケットや棚の瓶を1本ずつ軽く押さえたとき音が変わるかを見るとわかります。
故障疑いのサインは、庫内の物をどけても音が残る場合です。
修理現場でも、内部故障だと思っていたら瓶の接触音だったという例は珍しくありませんでした。

製氷機の動作:モーター音・氷落下音・おそうじ音

自動製氷機付きの冷蔵庫では、製氷皿を回すモーター音、給水音、氷が落ちる「ガラッ」という音が定期的に出ます。
夜間に急に鳴ると故障に感じやすいのですが、製氷タイミングに一致しているなら通常動作のことが多いです。
日立の自動製氷機のお手入れ方法では、「製氷おそうじ」で約3〜4分間、給水タンクの水を繰り返し流す動作が案内されており、この間は普段と違う作動音が続きます。
正常音の範囲は、製氷の前後だけ音が出て、その後静かに戻る状態です。
自分で確認するなら、音が鳴る時間帯と製氷皿の氷の増え方が一致しているかを見ると切り分けしやすくなります。
故障疑いのサインは、製氷しないのにモーター音だけが繰り返される、引っかかるような異音が続く場合です。
製氷機の音は単発だと正常寄り、長く反復するなら点検寄りと考えると整理しやすくなります。

サーモスタット(温度制御器)不具合:頻繁なオンオフ音

「カチッ」「カチカチ」という切り替え音は、サーモスタット(温度制御器)やリレーが冷却運転を切り替えるときに出ることがあります。
単発で鳴るだけなら正常動作の範囲ですが、短い間隔で何度も繰り返すときは、温度制御が安定していない可能性があります。
ブーン音の直前直後にカチッと入るなら制御の切り替え音、カチカチだけが頻発するなら別に切り分けたい判断材料になります。
正常音の範囲としては、たまに切り替え音がして、その後コンプレッサーやファンが自然に動き出す状態です。
自分で見分けるなら、カチッという音のあとに冷却運転へつながっているか、逆に空振りのように何度も繰り返していないかを見ると判断材料になります。
故障疑いのサインは、オンオフ音が増えたうえに冷えが不安定な場合です。
温度制御まわりは異音の原因候補に含まれており、他の正常音と違って切り替え頻度の増加が見分けるポイントになります。

音の種類とタイミングで原因を切り分けるチェックリスト

高圧受電設備キュービクルの点検・保守作業を複数の角度から示す専門技術者による定期メンテナンスと診断風景。

場所別チェック

異音の切り分けは、まずどこから聞こえるかどんな音かいつ鳴るかの3つで絞ると迷いません。
修理現場でも、この3問に答えられるだけで原因候補はだいぶ減ります。
場所は「背面・底面」「庫内奥」「庫内前面」「ドア周辺」に分けると整理しやすく、音は「ブーン」「カタカタ」「擦れるような音」「パキッ」の4系統で見ると実態に近づきます。
タイミングは「常時」「扉を閉めた直後」「製氷時」「周期的」のどれかに当てはめるのが基本です。
背面や底面から、低く連続するブーン音と細かな振動が同時に伝わるなら、候補はコンプレッサーまわりです。
本体そのものの振動だけでなく、制振材のへたり、床への振動伝達、背面の放熱不足も同じような鳴り方になります。
とくに背面下部から音がまとまって出ていて、壁や家具を離しても変化が薄い場合は、単なる共振ではなく本体側の機械音として見たほうが筋が通ります。
庫内の前面寄り、つまりドアポケットや棚の手前でカタカタ鳴るなら、瓶や缶の共振を先に疑います。
これは故障音に聞こえても、実際には容器同士が触れているだけということが珍しくありません。
前面で鳴るのに冷え方は普段通り、容器を押さえると音が変わる、ドアポケットの並びを変えると止まる、という流れなら収納由来と考えるのが自然です。
缶の底が棚やポケットに細かく当たっているだけでも、耳につく「コトコト」に変わります。
庫内奥から擦れる音や、回転体が何かに触るような「シャッ」「ガリッ」が出るなら、ファンまわりを優先して見ます。
前のセクションで触れた霜との接触もここに入ります。
場所の感覚としては、冷蔵室や冷凍室の奥のパネル付近に近いほど、収納物より内部部品の疑いが濃くなります。
反対に、音が前面に寄るほど収納物やドアポケット由来の比重が上がります。
一方、パキッという単発音は、樹脂部品の温度変化で起きる膨張・収縮の音と重なることがあります。
これは鳴り続ける音ではなく、冷却や霜取りの切り替わり前後に単発で出るタイプです。
連続音ではない、振動を伴わない、冷え方に乱れがない、という条件がそろうなら、まずは構造材の反応音として扱えます。

ドア開閉と音の関係

ドアの開閉は、異音の出どころを見分けるうえで最も使える手がかりです。
ドアを開けると止まるなら、庫内ファン系の可能性が高いと考えて差し支えありません。
ファンが回っている間だけ鳴り、開けた瞬間に静かになるなら、羽根・モーター・周辺の霜のどこかに原因が寄っています。
修理現場でも、この反応があると内部の回転部を優先して追います。
冷蔵室のファンは扉を閉めると回り始め、起動直後は音が大きくても約15秒で安定回転に入ると案内されています。
扉を閉めた直後だけ「ブーン」が強まり、その後すっと落ち着く流れなら、起動時の挙動として説明がつきます。
閉めるたびに同じリズムで出て、短時間で静まるなら、むしろ正常側の動きです。
ここで見落としやすいのが例外です。
野菜室や上段冷凍室では、扉を開けてもファン音が聞こえる場合があります。
そのため、「開けても止まらないからファンではない」とは言い切れません。
冷蔵室の扉で止まるかどうかだけで全室共通の判定をすると、ここで外しやすくなります。
実際の切り分けでは、どの扉を開けたときに音が変わるのかまで見ないと、場所の見立てがずれます。
反対に、ドアを開けても閉めても変化しない低いブーン音が背面や底面から続くなら、ファンよりコンプレッサーや設置共振の線が濃くなります。
扉の操作で音が変わらないのに、背面下部の振動だけははっきりあるなら、庫内ではなく本体下部の駆動部を見たほうが自然です。
ここに放熱不足や制振材の劣化が重なると、一定音でも耳につきやすくなります。
製氷機付きなら、ドア開閉との連動より製氷タイミングとの一致が手がかりです。
一定時間ごとに「ガラッ」「ウィーン」が出るなら、扉より製氷動作との同期を見るほうが判断しやすくなります。
日立の製氷おそうじでも数分間は普段と違う音がまとまって出るため、扉への反応だけで異常判定すると見誤ります。

ℹ️ Note

比較表:音の種類×場所×タイミング

音は単体で判断するより、種類×場所×タイミングを重ねたほうが精度が上がります。
下の表は、よくある組み合わせを「正常」「対処可」「要点検」に分けたものです。
表の見方としては、まず自分の冷蔵庫に近い行を探し、次に発生場所とタイミングが一致するかを確認する流れが実用的です。

音の種類主な発生場所鳴るタイミング想定される原因判定区分
ブーン背面・底面常時または周期的コンプレッサーの運転音正常
ブーン + 振動背面・底面長く続く、以前より目立つコンプレッサー負荷、制振材のへたり、放熱不足対処可
ブーン + 振動が強い / 冷え方も不安定背面・底面連続的コンプレッサー系の不具合要点検
ブーン庫内奥扉を閉めた直後庫内ファンの起動音正常
擦れる音、ガリッ、シャッ庫内奥扉を閉めると再発し、開けると止まるファンと霜・氷の接触、ファン劣化要点検
カタカタ、コトコト庫内前面、ドアポケット運転中に断続的瓶・缶・容器の共振対処可
カタカタ背面外側、側面本体作動中に継続壁・家具・コード接触、水平ズレ対処可
パキッ庫内・外装冷却や霜取りの切り替わり前後樹脂部品の膨張・収縮正常
ウィーン、ガラッ製氷室まわり製氷時製氷機のモーター動作、氷の落下正常
モーター音が何度も空振りする製氷室まわり製氷していないのに周期的製氷機構の引っかかり要点検
ファン音が聞こえる野菜室・上段冷凍室扉を開けた状態でも継続その区画の送風動作正常
カタカタやブーンが収納調整後も残る庫内前面または本体全体常時または再発収納物以外の内部部品要点検

この表で迷いやすいのは、前面のカタカタ背面・底面のブーンです。
前面のカタカタはまず瓶や缶、ドアポケットの並びを疑うと当たりやすく、背面・底面の低いブーンはコンプレッサー、制振材、放熱不足の順で考えると整理できます。
ドアを開けたときに止まるかどうかを1本の軸として重ねると、収納物の音なのか、庫内ファンなのか、背面下部の駆動部なのかが見分けやすくなります。

自分でできる対処法

エアコンの各部品のトラブル診断と修理方法を示す画像集。

作業前の安全チェック(所要時間は筆者の現場経験則)

修理現場では、異音の相談でも最初に見るのは内部部品ではなく、触ってよい範囲を安全に確認できる状態かです。
今回の対処はあくまで外側と庫内の見直しにとどめ、分解はしません。
電源プラグやコンセントまわりに触るときは乾いた手で行い、濡れた床の上や素足のままは避けます。
本体を前に出す場面では、冷蔵庫はひとりでこじらず、必ず2人以上でゆっくり動かします。
先にそろえておくと進めやすいものは、雑巾、掃除機、プラスチック定規または水平器、薄手の滑り止めマット、軍手です。
作業全体の目安は筆者の経験則で約30〜45分ほどです。
一次ソースによる時間のばらつきがあるため、あくまで現場目安としてお読みください。
手順は次の順で進めると、原因を切り分けながら無駄なく見直せます。

  1. 電源プラグとコードの見える範囲を確認する コンセントにしっかり差さっているか、プラグが斜めになっていないか、コードが本体背面や壁に押されて振動していないかを見ます。 正常なら: プラグはまっすぐ差さり、コードが宙ぶらりんにならず、どこにも擦れていません。 異常なら: プラグの差し込みが浅い、コードが背面に触れてカタカタ当たる、家具の角に押し付けられています。
  2. 接触物を外し、冷蔵庫の周囲を空ける 側面や背面で、壁、食器棚、ゴミ箱、収納ワゴンなどが本体に触れていないかを確認します。ガタガタ音では設置状態の確認が案内されています。冷蔵庫は本体よりも、触れている周辺物が共振して音を増やしていることが少なくありません。 正常なら: 手で軽く揺すっても周囲の物に触れません。 異常なら: 側板や背面に物が当たり、運転中だけ接触音が出ます。
  3. 移動前に庫内の重い物だけ先に減らす 2L級のボトルや瓶、鍋ごと入れている物が多いと、本体を少し動かしただけでも傾きやすくなります。ドアポケットの重い物は先に取り出し、移動や脚調整は必ず2人以上で行ってください。 正常なら: 前に出すとき本体が素直に動き、グラつきません。

異常なら: ドア側が重く、少し引いただけで傾く感触があります。

ℹ️ Note

異音確認は、作業前にスマホで10秒ほど録音しておくと比較しやすくなります。調整後に同じ場所・同じ時間帯で聞き比べると、振動音が減ったのか、音の種類そのものが残っているのかを見分けやすくなります。

設置・放熱・水平の見直し

設置まわりの見直しは、ブーン音にもカタカタ音にも効くことがあります。
よくあるパターンとして、冷蔵庫そのものの故障ではなく、放熱不足でコンプレッサーの負荷が上がり、さらに水平ズレで振動が増幅されるという重なり方があります。
夜に音が気になり始めたケースでも、脚を合わせて周囲を離しただけで耳障りさが抜けることがあります。

  1. 放熱スペースを確保する 背面や側面が壁や家具に近すぎると、熱がこもって運転時間が伸び、低いブーン音が目立ちやすくなります。背面だけでなく、側面の出っ張りやコードのたわみも確認対象です。 正常なら: 背面・側面とも本体が周囲に触れず、熱が抜ける空間があります。 異常なら: 壁際に押し込まれ、背面のコードまで挟まっています。
  2. 脚の水平を調整する 前後左右でガタつきがないか、冷蔵庫の上面にプラスチック定規や水平器を置いて見ます。高さ調整脚があるタイプは、床に4点がきちんと乗る位置まで少しずつ合わせます。脚が届かずガタつくときは、薄手の滑り止めマットを小さく切って床側で微調整すると、振動の逃げ方が変わります。 正常なら: 対角を押してもカタつかず、扉の開閉でも本体が揺れません。 異常なら: 片側だけ浮く、扉を閉めるたびに本体がコトンと揺れます。
  3. 扉の閉まり方を見て半ドアを潰す 食品のはみ出しや棚の飛び出しで扉がわずかに浮くと、冷気漏れで運転が続き、ブーン音が長引きます。パッキンに紙片や袋の角が噛んでいないかも見ます。 正常なら: 扉が最後まで自然に閉まり、閉めた後に浮き戻りません。 異常なら: ドアポケットの物が当たる、食品トレーが前に出ていて半ドアになります。

庫内整理と共振対策

庫内の音は、内部機構よりも収納物どうしの接触で説明がつく場面が多いです。
とくにカタカタ音は、棚板の上の保存容器より、ドアポケットの瓶や調味料ボトルのほうが犯人になりやすい印象があります。
扉の開閉やコンプレッサーの振動が入るたびに、硬い容器が同じ周期で鳴くからです。

  1. 庫内の詰め込みを見直す 食品が奥の送風口まわりに寄りすぎていないか、ケースや袋が棚板の縁に触れて震えていないかを見ます。容器同士がぴったり当たっているなら、少し間隔を空けるだけで音が止まることがあります。 正常なら: 奥の風が抜ける空間があり、容器同士が押し合っていません。 異常なら: 食材が前後左右に詰まり、袋やケースが触れ合って震えています。
  2. ドアポケットの瓶配置を入れ替える 瓶、調味料ボトル、缶飲料は同じ高さで並べると共振しやすく、細い瓶が端で鳴きやすいのが利点です。重い瓶は下段へ、背の高い細瓶は隣と密着させず、間に紙箱や樹脂容器を挟んで当たりを減らします。 正常なら: 扉を軽く開け閉めしても瓶同士が触れず、音が出ません。 異常なら: 閉めた瞬間にコトコト鳴る、運転中に瓶が細かく震えます。
  3. 棚・ケース・製氷皿まわりの浮きを見る 野菜室ケース、冷凍室の引き出し、製氷皿や貯氷ケースがレールに正しく収まっていないと、低い振動で細かい打音が出ます。引き出しをいったん外せる範囲でまっすぐ戻し、斜めに乗っていないかを確かめます。 正常なら: 引き出しが奥まで入り、左右差がありません。 異常なら: ケース前面が少し浮き、閉めても片側だけ高くなります。
  4. 製氷機の一時停止とお手入れを試す 製氷室まわりのウィーン音や空振り感が気になるなら、いったん製氷を止めて変化を見る方法があります。製氷おそうじの作動時間は約3〜4分と案内されています。給水タンクや製氷皿まわりの汚れ、引っかかりが関係していると、このタイミングで音の出方が変わります。 正常なら: 製氷停止で周期音が消え、おそうじ動作後は普段の運転音だけに戻ります。 異常なら: 製氷を止めても同じモーター音が続く、空回りのような音が繰り返されます。
kadenfan.hitachi.co.jp

背面・周辺清掃と最終確認

背面や床のほこりは、見た目の問題だけではありません。
放熱を邪魔し、コードやパイプまわりに細かな接触を作るので、ブーン音が長く続くきっかけになります。
修理現場でも、背面を少し空けて掃除しただけで「前より静かになった」と感じる例は珍しくありません。

  1. 背面と床のほこりを取り除く 電源プラグを抜ける状態なら抜いてから、背面下部、側面、床との隙間を掃除機と乾いた雑巾で清掃します。コードのたるみ、床に落ちた結束バンド片、壁際の紙片など、振動で鳴く物も一緒に片づけます。 正常なら: 背面周辺にほこりの固まりがなく、コードも静止しています。 異常なら: ほこりがまとまり、コードや周辺物が触れています。
  2. パッキンと扉まわりを拭いて半ドア要因を消す ドアパッキンに汚れやベタつきがあると、閉まり切る前に軽く戻ることがあります。溝の汚れを拭き、袋の角やラップの端が挟まる配置をやめるだけで、運転の長引きが収まることがあります。 正常なら: 扉の四辺が均一に密着し、閉めた後の浮きがありません。 異常なら: 一部だけ隙間が残る、扉の角を押すと音が変わります。
  3. 再起動して、扉を閉めた直後から30秒だけ観察する 元の位置に戻したら電源を入れ、扉を閉めた直後、少し待ったあと、開けた瞬間の3点を比べます。扉を閉めた直後のファン音は、起動時だけ目立っても落ち着く流れなら説明がつきます。反対に、収納や設置を直しても擦れる音、引っかかる音、冷えの弱さを伴う連続音が残るなら、自分で触れる範囲の原因ではありません。 正常なら: ブーン音やカタカタ音が弱まり、音の持続時間も短くなります。 異常なら: 調整前と同じ音が続く、開閉で音が不自然に変化する、冷え方まで落ちています。

業者に依頼すべきケース

冷蔵庫の一般的な故障症状と修理箇所を示す写真集。

依頼の判断基準

セルフ対処を一通り試しても、長時間続く大きなブーン音が残るなら、ここから先は修理判断の領域です。
修理現場でも、設置や収納の問題なら音はその場で変化しますが、背面下部からの連続音が変わらず、しかも冷えない、逆に冷えすぎるといった冷却異常が重なると、コンプレッサーまわりまで疑う流れになります。
コンプレッサー関連は修理費が10万円以上になることもあり、軽い異音として放置しないほうが現実的です。
音の質でも境界線ははっきりしています。
擦れる音、ガリガリ音、シャッという接触音が続く、あるいは本体全体が異常に振動する場合は、見える範囲の調整では止まらないケースが多いです。
とくに、霜取りをして一度静かになっても、霜取りしても再発するなら、霜そのものではなく霜取り機構やファン周辺の不具合が背景にあると考えたほうが筋が通ります。
ファン・制振材・コンプレッサーまわりは内部要因として整理されています。
修理依頼を優先したい条件は、次のように整理できます。

  1. 長時間続く大きなブーン音があり、以前より明らかに目立つ 2. 擦れる音、ガリガリ音、異常振動が継続する 3. 冷えない、または冷えすぎる症状を伴う 4. 水漏れや異臭を伴う 5. 霜取り後も同じ異音が再発する(霜取りで一時的に静かになっても再発する場合は、霜取り機構やファン周辺の不具合の可能性が高く、分解点検が必要です。補修用性能部品の保有期間はメーカーで差があるため、機種別の確認をおすすめします)
  2. 10年以上使用している 7. ファン・制振材・コンプレッサー系の確認に分解が必要になる

使用年数も判断材料になります。
冷蔵庫の寿命目安は約10〜15年とされていて、このあたりに入ってくると、音の原因が単独部品ではなく複数箇所の劣化で重なっていることがあります。
補修用性能部品の保存期間は一般的に約9年が目安とされますが、メーカーや部品種別で差があるため、機種別の確認をおすすめします。
年式が古い機種では「直せるかどうか」自体が先に問題になることもあります。
修理現場では、10年を超えた機種で水漏れや異臭まで出ていると、単純な清掃や再設置で収まる展開はあまり多くありません。

💡 Tip

扉を閉めた直後の音が少し大きくても、短時間で落ち着くなら通常動作の範囲に収まることがあります。反対に、30秒ほど見ていても勢いが落ちない連続音、擦過音、強い振動は業者向きのサインです。

www.japanet.co.jp

保証・サポートの活用

修理を頼む前に見ておきたいのが保証の範囲です。
一般的には本体1年、主要部品5年が目安で、購入店の延長保証に入っているなら、その条件が優先されます。
異音は「音だけ」だと対象外と思われがちですが、冷え不良やファン不良、コンプレッサー系の不具合に結びつく場合は、保証の扱いが変わることがあります。
保証内または延長保証内なら、街の修理業者よりメーカーサポートを先に使うほうが話が早い場面が多いです。
費用面では、修理の成否に関係なく出張点検が有料になるケースが目立ちます。
出張料の一例として3,850円(税込)が示されています。
修理費はここに技術料と部品代が加わる形なので、見積もりの時点で「点検だけで終わるのか、部品交換まで進むのか」を切り分けて考える必要があります。
保証が切れている場合でも、メーカー窓口の価値は残ります。
異音の場所やタイミングから、ファン交換で済みそうか、制振材の処置か、コンプレッサー系まで疑うべきかをある程度整理できるからです。
現場感覚では、分解が絡む症状ほど、最初の窓口がメーカー系のほうが部品手配までつながりやすく、二度手間になりにくい設計です。

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予約前にまとめる情報リスト

依頼時に情報が揃っていると、受付の段階で症状の切り分けが進みます。
とくに異音は「うるさいです」だけでは伝わりにくく、修理担当も準備がしづらくなります。
修理現場では、音の種類・場所・タイミングの3点があるだけで、訪問前の想定精度が上がります。
予約前に手元で整理しておきたいのは、次の内容です。

  1. メーカー名 2. 型番 3. 購入年 4. 使用年数 5. 症状の内容 6. 音の種類(ブーン、ガリガリ、擦れる音、振動音など) 7. 音が出る場所(庫内奥、背面下部、製氷室まわりなど) 8. 音が出るタイミング(扉を閉めた直後、夜間、常時、製氷時など) 9. 冷えない・冷えすぎる・水漏れ・異臭の有無 10. これまで試した対処(水平調整、庫内整理、霜取り、清掃、製氷停止など)

伝え方のコツは、音を擬音だけで終わらせないことです。
たとえば「ブーン音」でも、背面下部からずっと続くのか、扉を閉めたあとに始まって止まらないのかで、受付側の見立ては変わります。
さらに「霜取りはしたが再発した」「開けると止まる擦れ音がある」「水漏れとにおいも出ている」といった補足が入ると、単なる設置問題ではなく、分解前提の故障として扱いやすくなります。
この情報がまとまっていると、訪問後に「聞いていた症状と違うので再手配」という流れを減らせます。
ファン、制振材、コンプレッサーまわりのように分解を伴う修理ほど、事前情報の質がそのまま段取りに影響します。

修理費用の目安と買い替え判断

家電修理の費用相場と信頼できる業者選びのガイド。診断から修理完了まで。

修理費用テーブル

修理費は、メーカー修理であれば技術料・部品代・出張料の合計で決まるのが基本です。
シャープの修理料金案内でもこの考え方が示されていて、異音修理は「どの部品を触るか」で総額が大きく変わります。
点検だけで終わるつもりでも、出張料は先に発生する前提で見ておくと予算感をつかみやすくなります。

項目内訳目安注意点
出張料訪問・点検の基本料金目安:3,850円(例:日立の表示、事例)出典例:日立の料金案内。地域・業者で差があり、税込/税抜の表記は出典により異なります。
霜取り関連技術料+部品代+出張料目安:約31,000〜36,000円(事例)霜がファンに当たる異音など。表示は事例ベースで、税込/税抜・部品構成は出典により変動します。
出張料訪問・点検の基本料金目安:3,850円(例:日立の表示、税込)日立の修理料金案内の一例。地域・メーカーにより差があります。
霜取り関連技術料+部品代+出張料目安:約31,000〜36,000円(目安/事例)霜がファンに当たる異音など。税込/税抜・部品構成は事例で差が出ます。
庫内ファン技術料+部品代+出張料目安:約33,000〜35,000円(目安/事例)開けると止まり、閉めると再発する音で候補になりやすい。表示は事例ベースで、税込/税抜表記の差に注意してください。
コンプレッサー技術料+部品代+出張料目安:10万円以上になることがある(目安)背面下部の連続した大きなブーン音と冷え不良が重なる場合。機種差が大きいため見積もり必須。
制振材・防振関連技術料+部品代+出張料非公表異音源が制振材や防振部材でも、公開相場は確認できていない
設置調整技術料+出張料非公表水平ズレや接触修正だけで済むこともあるが、公開相場は確認できていない

修理現場でも、見積もりの印象を左右するのは部品代そのものより「どこまで分解が要るか」です。
霜取りや庫内ファンは中規模の修理で収まることがありますが、コンプレッサーに入ると一気に重くなります。
背面下部からの連続音が止まらず、冷え方も落ちているケースは、費用だけでなく修理後の残り寿命まで含めて見ないと判断を誤りやすいのが利点です。
出張料の一例として3,850円(税込)が示されています。
ここに技術料と部品代が上乗せされる形なので、表の金額を見るときは「総額の中に出張料を含む考え方」で読むとズレが出にくくなります。

保証・部品保有と費用の関係

費用を読むときは、故障内容だけでなく保証の残り方部品がまだ出るかも同時に見ます。
一般的な整理では、本体保証は1年、主要部品は5年がひとつの目安です。
異音だけでは保証対象に見えにくくても、ファン不良や冷却不良に結びつくと扱いが変わることがあります。
年数の壁として効いてくるのが、補修用性能部品の保有期間です。
冷蔵庫は9年が目安なので、製造終了から時間がたった機種では「直す費用」以前に「必要部品を揃えられるか」が先に立ちます。
この9年という考え方が整理されています。
修理現場では、購入からまだ浅い冷蔵庫なら、3万円台の修理は現実的な選択肢として残ります。
反対に、年数が進んだ機種で霜取り系とファン系が重なっていると、一箇所直して終わらず、別の劣化が後から出ることがあります。
見積もり額そのものより、保証の有無・部品の残り方・使用年数の3点を重ねて見るほうが、実際の負担感に近づきます。

修理と買い替えの判断基準

冷蔵庫の寿命は、広めに見ると約10〜15年です。
AQUAでは約10〜14年、ゼヒトモでは10〜15年程度という整理で、実務上は「10年を越えたら買い替えも同時検討のゾーン」に入ったと考えると判断しやすくなります。
買い替えを意識する線引きとして使いやすいのは、修理費が新品価格の3〜5割を超えるかという見方です。
たとえば霜取り関連や庫内ファンなら3万円台で収まることがありますが、本体価格帯によってはこの時点で無視できない比率になります。
コンプレッサーで10万円以上が見えてくると、修理の成立可否より先に、費用対効果の釣り合いが崩れやすくなります。
使用年数との組み合わせで見ると、判断はさらに整理できます。

  1. 使用10年未満で、修理が3万円台に収まる見込み 霜取り系や庫内ファンの単独修理なら、直して使い続ける選択に乗りやすい条件です。
  2. 使用10年以上で、修理費が高額 この段階では買い替え寄りです。部品が出ても、次の劣化箇所まで近いことが珍しくありません。
  3. コンプレッサー系の疑いがあり、冷え不良もある 金額が重くなりやすく、修理後の安心感も読みづらいので、買い替え判断に傾きやすい場面です。
  4. 出張点検の時点で部品供給が難しい 修理現場では、「音だけ」なら様子見に寄ることもありますが、高額修理・使用年数が長い(特に10年以上)・冷え不良の併発が重なると買い替えを検討するケースが増えます。補修用性能部品の保有期間は一般的に約9年が目安ですがメーカー差があるため、判断時には機種別の供給可否も確認してください。

ℹ️ Note

費用判断で迷いやすいのは、出張料だけを見ると安く感じる場面です。実際には、その先に技術料と部品代が続くため、異音の出どころがファンなのか、霜取りなのか、コンプレッサー寄りなのかで総額の景色が変わります。

異音を防ぐ予防・メンテナンス方法

冷蔵庫の一般的な故障症状と修理箇所を示す写真集。

設置・環境のメンテ

異音の再発を防ぐうえで、まず効くのは冷蔵庫まわりの環境を整えることです。
修理現場でも、本体そのものより、背面や側面にたまった埃、壁との近さ、横に置いた物との接触が音を増幅していた例はよくありました。
とくに背面や側面の埃は、放熱の流れを邪魔してコンプレッサーの負担を増やし、ブーン音が目立つ流れにつながります。
夏前にここを一度掃除しておくと、気温が上がってからの負荷増加を抑えやすくなります。
設置環境の悪さが振動や異音の原因になると整理されています。
背面・側面の埃を落とし、放熱スペースをふさがない状態にしておくだけでも、運転音の出方が落ち着くことがあります。
冷蔵庫の横に段ボールや収納ケースをぴったり寄せる、背面に電源コードが触れたままになっている、といった置き方は振動音の定番です。
床との接地も見逃せません。
脚がきちんと水平を保てていないと、コンプレッサーやファンの振動が本体全体に回り、カタカタ音として聞こえやすくなります。
少し傾いているだけでも、夜は音が大きく感じられるものです。
上に電子レンジ以外の小物、保存容器、缶飲料などを載せたままにすると、それらが共振して別の音源になります。
接触物を置かない、上載せ物を避ける、周囲に熱や振動をこもらせないという基本を崩さないほうが、結果として長持ちにつながります。

冷蔵庫がうるさい原因は音の種類でわかる!原因別の対策や静音冷蔵庫の注意点も解説 | AQUA aqua-has.com

扉・パッキン・収納のコツ

扉まわりでは、ドアパッキン(扉のゴム)を清潔に保つことが効きます。
ここに汚れやベタつきがたまると密着が甘くなり、半ドア気味になって庫内温度が戻りにくくなります。
その埋め合わせで運転時間が伸びると、普段は気にならないブーン音まで耳につきやすくなります。
パッキンの溝は見落としやすいので、表面だけでなく折り返し部分まで軽く拭くほうが実際には差が出ます。
収納では、詰め込みすぎを避けることがそのまま予防になります。
冷気の通り道がふさがると、冷やすための運転が増え、容器同士が触れていればカタカタ音も出ます。
修理現場では、来客前の買いだめや週末のまとめ買いのあとに音の相談が増える傾向がありました。
原因をたどると、庫内の奥まで食品を押し込み、トレーやボトルがわずかに当たり続けていた、という形が少なくありません。
冷気が抜ける空間を少し残す、瓶や缶は触れ合わないように置く、はみ出した食品で扉が押し返されないようにするだけでも、再発しにくくなります。
扉の開け閉めの回数を減らす使い方は、冷気の乱れを抑えてファンやコンプレッサーの頻繁な稼働を防ぎ、結果的に音の発生頻度が下がる効果があります。
出し物をあらかじめ決めて短時間で済ませる習慣が有効です。

ℹ️ Note

来客前や買いだめ前は、先に庫内の空間を作っておくと音の予防に直結します。詰め込んだあとに整理するより、手前の古い食品を動かして通り道を確保しておくほうが、冷気も回りやすく、容器の接触音も出にくくなります。

製氷系のお手入れ

製氷室まわりの音は、正常動作と汚れ由来の不調が混ざりやすい場所です。
氷が落ちる音やモーター音はある程度出ますが、給水タンクのぬめり、製氷皿まわりの汚れ、氷の偏りがあると、空振りのような音や引っかかる音につながります。
ここは製氷系のお手入れを続けるだけで、再発の頻度が下がることが多いです。
基本は、給水タンクを洗って水の通りを保つことです。
タンク内やふた、フィルター周辺に汚れが残ると、製氷の流れが乱れて氷の形や落ち方にも影響します。
製氷おそうじ機能の作動時間は約3〜4分と案内されています。
こうした機能がある機種では、タンク洗浄と組み合わせて使うと、水路まわりのリセットに役立ちます。
製氷系で音を防ぐコツは、汚れ対策だけではありません。
氷を長くため込みすぎると、塊や偏りで製氷動作が乱れることがあります。
古い氷が残ったまま新しい氷を重ねるより、一度ならしておくほうが落下音や引っかかり音が出にくくなります。
製氷室のケース内に食品や保冷剤を入れてしまう置き方も、接触音の原因になります。
製氷室は「氷を作る場所」と割り切って、余計な物を入れない状態のほうが安定します。
季節で見ると、夏前の放熱経路の清掃とあわせて、製氷タンクや給水経路も整えておくと、暑い時期のフル稼働でも音が荒れにくくなります。
異音は壊れた瞬間だけに出るものではなく、埃・汚れ・詰め込み・開閉の多さが少しずつ積み重なって目立ってくるものです。
日々の手入れは地味ですが、音の予防という点ではいちばん効率のいい対策です。

よくある質問

オルゴールの内部機構と動作原理を示す精密な機械部品の写真

夜間に大きく感じる理由

夜だけブーン音が目立つのは、冷蔵庫が夜にだけ急にうるさくなるというより、周囲が静かになって相対的に音が浮いて聞こえるためです。
昼はテレビ、換気扇、生活音に埋もれていた運転音が、深夜になると一気に存在感を持ちます。
修理現場でも「昼は平気なのに寝る前だけ気になる」という相談は珍しくありませんでした。
もうひとつは、深夜帯に霜取りや自動運転の切り替えが重なることです。
パキッという樹脂音や、しばらく続くブーン音がこのタイミングで出ると、故障に見えやすくなります。
室温が下がる時間帯は家の中の反響も変わるので、同じ運転音でも耳につき方が変わります。
夜だけ気になるが、冷え方は普通で、音質も一定なら、まずは異常より通常運転を疑うほうが現実的です。

新品/設置直後の音

新品の冷蔵庫でブーン音やカタカタ音が気になるのは、設置直後では珍しくありません。
庫内を安定した温度まで一気に下げようとして運転が続くうえ、扉の開閉や食品の出し入れが多い時期は音も目立ちます。
初期は運転のリズムが落ち着くまで、いつもより存在感のある音になりやすいものです。
設置直後に見るべきなのは、本体そのものより置き方です。
壁や家具に触れている、脚がわずかに浮いている、上に小物を載せている、背面でコードが当たっている、といった条件があると、新品でも共振で音が増幅されます。
扉を閉めた直後のファン音は、東芝のFAQでも起動後に回転が落ち着くまで時間があると案内されています。
閉めた直後だけ少し大きく、短時間で落ち着くなら、まずは正常な立ち上がりの範囲で見て構いません。

電源を抜くべきか

異音が気になると、いったん電源を抜いて止めたくなりますが、常用の対処としては勧めにくいです。
冷蔵庫は止めた瞬間から保冷力が落ち始めるので、食品の傷みや再冷却の負担が先に出ます。
とくに庫内が詰まっている状態や気温が高い時期は、停止のデメリットのほうが大きくなります。
どうしても再起動で変化を見る場合は、短時間の切り分け(数分以内)にとどめ、食品の影響と安全リスクに注意してください。
長時間の停止は避け、変化がなければ分解点検を含む専門業者の診断を検討しましょう。

⚠️ Warning

電源を抜く前に、音が「背面下部」なのか「庫内奥」なのか「製氷室まわり」なのかだけでも記録しておくと、その後の判断がぶれません。電源操作は食品への影響や安全リスクがあるため、長時間の停止は避け、短時間の切り分けにとどめてください。

修理か買い替えか

判断の軸は、使用年数・修理費・症状の重さの3つです。
冷蔵庫の寿命目安は約10〜15年とされているので、この年数帯に入っていて、しかも冷え不良や連続異音が出ているなら、修理しても次の不具合が重なる場面があります。
修理現場では、年数が進んだ個体ほど「音だけ直して終わり」にならないことがありました。
費用面では、たとえば出張料の一例として3,850円(税込)があり、ここに技術料と部品代が加わります。
霜取り系や庫内ファンまわりの修理であれば数万円台に収まることがありますが、コンプレッサー関係まで入ると負担が一気に重くなります。
補修用性能部品の保存期間が9年という目安もあるため、10年以上使っていて高額修理になりそうなら買い替え寄り、年式が浅く症状が限定的なら修理寄りで考えると判断しやすくなります。

野菜室・製氷室の音について

野菜室や製氷室の近くからウィーン、ゴトッ、ガラッといった音がしても、その場で故障と決めつける必要はありません。
野菜室付近では送風や冷気の流れに伴う音が聞こえることがあり、扉を開けてもすぐ止まらないケースもあります。
庫内のどこで冷気を回しているかによって、音の出どころが前面寄りに感じられることもあります。
製氷室では、氷が落ちる音や機構が動く音が代表例です。
日立のFAQでも、製氷おそうじは約3〜4分動作すると案内されており、その間は普段と違う作動音が出ます。
気にしたいのは、正常動作の音そのものより、同じ動きが何度も空振りする、引っかかったような音が続く、製氷していない時間にも周期的に異音が出るといったパターンです。
野菜室・製氷室の音は「場所で驚きやすい」だけで、動作内容に合っていれば正常なことも多いです。

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村上 健太

大手家電量販店で8年間、修理受付・出張修理を担当。年間500件以上の修理相談を受け、エアコン・洗濯機・冷蔵庫のトラブル解決に精通。

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